権利能力なき社団
民法総論の中で、権利能力なき社団については理解があいまいなまま、終わらせてしまいました。おかげで、会社法における「設立中の会社」についての意味がはっきりしませんでした。
法人と権利能力なき社団との違いを理解すれば、会社法の理解にも役立つと思う。だから、しっかり勉強しましょう。
1 権利能力なき社団とは、「社団」としての実体はあるが、法律上、権利義務の帰属主体たりえないものをいう。
なお、「社団」としての実体の有無は、諸要素から判断されるべきである。例えば、団体としての組織、多数決の原則の有無、構成員が変更しても団体そのものが存続すること、代表の方法、総会の運営、財産管理方法などの要素から判断する。
2 民法上、ある特定の目的のために結成された団体に関する法律関係を規律するため、組合(667条)に関する規定がおかれている。権利能力なき社団の取扱いについてはこの組合に準ずるべきか。
思うに、組合は個人の目的のために一時的に結びついた、契約で成立する集団である。しかし、個人の意思を超越した目的がある団体については、団体としての実体が認められる。ここで、両者を同様に扱えば、不都合な結果が生じることが予想される。したがって、権利能力なき社団は組合とは区別し、異なった取扱いをすべきである。
3 このように考えると、権利能力なき社団の法的地位については、できるだけ法人の規定を類推適用すべきである。しかし、両者をまったく同一視することもできない。主務官庁の監督に服さないことや、法人の登記を経ていないことを無視すべきではないからである。
権利能力なき社団の権利や義務については、構成員に総有的に帰属するものと考えざるを得ない。その財産権の公示方法としては、預金債権などについては、代表者である者の氏名に代表者である旨の肩書をつけて、個人財産と区別することがしばしば行われているが、登記についても、実態にふさわしく肩書つきの登記を認めるべきである。
しかし、判例や実務はこれを認めない。かかる団体について団体名義の登記を認める規定が存在しないからである。しかも、代表権の公証の方法がなく、登記官にも審査権限がないので、法人の実体を知り得ない。このような事情の下で、団体名義の登記を認めるならば、団体名を利用した虚無人名義の登記発生のおそれがある。
よって、現状では、代表者が構成員全員のための受託者として、個人名で登記する方法を採らざるを得ない。
4 権利能力なき社団の債務については、構成員は、原則としてその固有財産による責任を負わないというのが判例である。
しかし、利益が構成員に分配されるとか脱退に際して持分の払戻しが認められている営利団体の場合には、できるだけ構成員の無限責任を認めるのが、そのような社団と債権関係に立つ第三者の保護のために必要である。そして、構成員が有限責任しか負わない場合には、社団債務について代表者に担保責任を負わせるべきである。
上の論証は、判例に比べ、取引安全の要請をより重視した立場からのものである。
会社法における「設立中の会社」には、この立場による方が妥当であると考える。なぜなら、設立中の会社といえども、商取引行為が行われるから、取引の相手方の保護をより重視すべきであるからである。
早く、民法の復習を終えて、会社法の復習をしたいなあ・・・
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